山大生、山大卒業生
山大教職員、地域住民による
公開の発表会
2024年(第7回) 饗宴を開催します
全体テーマ「人間を考える」

 今年も「饗宴2024」を開催いたします。合わせて前日に山口西田読書会の文学講座を一般に開放します。本年で7回目を迎える「饗宴」は、このたび山口大学教育学部との共催になりました。

 この会が山口大学で哲学・文学を学んだ人たち、あるいは市民で哲学・文学を愛好する人たちの生涯の発表の場になると共に、そういう方々にとっての「哲学同窓会」の場になればと思います。地域が学生・教員・学者を育て、その研究成果を地域で共有する。そのような仕方で地域に「哲学する」文化が育って行く。こうした夢の実現は、かつて大学が市の中心にあったとき、市民が学生を愛し、学者を大切にし、見守った、そうした関係の再現を目指す、市民の側からの提案でもあります。

 私たちがその身に生まれた「人間」。しかし通常私たちは自分が「人間」であることをあたり前のように思い、「人間とは何か」を問うことはありません。そうして目の前の目的の実現や目標の達成に忙しく、ただただ「人間であること」が過ぎ去ってきた。しかし問わなければならない。「人間とは何か」と。そこで今回も皆様と共に標記テーマのもとに「人間」を考えて行きたいと思います。

開催日
2024(令和6)年 3月24日(日曜日)
会 場
山口県政資料館(旧県会議事堂)山口市滝町1-1(駐車場あり)
時 刻
開会9:30〜閉会16:30
主 催
山口西田読書会/山口大学教育学部
後 援
山口県/山口県教育委員会/山口市/山口市教育委員会/
朝日新聞社/毎日新聞社/読売新聞西部本社/中国新聞防長本社/山口新聞社/NHK山口放送局/KRY山口放送/yab山口朝日放送/tysテレビ山口
プログラム
全体テーマ「人間を考える」
発表 25 分、質疑応答 30 分
9:00
開場
9:30
開会
9:3510:30
森山竜純
山口大学教育学部社会科教育選修4年
「アーレントにおける「悪の凡庸さ」について―『全体主義の起源』をもとに考える―」
特定質問者
田本正一
田中智輝
10:3011:25
伊田名央人
山口大学教育学部社会科教育選修4年
「私とは何か―池田晶子から考える―」
特定質問者
吹中駿介
大藤渉
11:2511:35
10分休憩
11:3512:30
花本直美
山口大学教育学部社会科教育選修4年
「ハイデガーに於ける真理の本質〜正しさを可能にする根拠と形而上学の克服〜」
特定質問者
廣田智子
森永駿
12:3013:30
昼休み
13:3014:25
福田理奈
山口大学教育学部社会科教育選修4年
「魔境踏査の術を知る―カミュの「不条理」に学ぶ―」
特定質問者
村上林造
岡村康夫
14:2515:20
西村壮太
山口大学教育学部社会科教育選修4年
「分別を超えた生き方は可能か―鈴木大拙の霊性的世界と四種法界に学ぶ―」
特定質問者
岡村康夫
深野宗泉
15:2015:30
10分休憩
15:3016:30
討論会
「人は何のために学び、何のために働き、何のために生きるのか?」
提題・司会:
佐野之人
山口大学教育学部特命教授
学ぶのは働くためであり、働くのは、生き残り、よりよく生きる(幸福)のためである、というのがこの問いに対する一般的な回答である。しかし老いが深まり、死を前にすることでますます顕わになって来るのが「何のために生きるのか?」という問いである。同様にグローバルな規模で我々を駆り立てる得体の知れないシステムに酷使されつつ働く者にとっても「何のために働くのか?」という問いが顕在化しつつある。「働く意味」が不明瞭になれば、「学ぶ意味」も不明瞭になっていく。こうした傾向は今後ますます深刻なものになるだろう。それは人間が抱える意味と無意味の矛盾が歴史を通じて顕わになっていくということである。この矛盾が宗教・芸術・哲学の要求の源泉である。人間が本性的に矛盾を抱えるものである以上、こうした要求は誰においても前提できるが、同時に人間は本性的にこうした矛盾から目を逸らし、日常生活に埋没する。こうした状況にあって人間が生きるのも働くのも自分がその身に生まれた「人間」を学ぶためであるとして、宗教・芸術・哲学を根幹に置いた生涯学習の可能性、あるいは不可能性を共に考えたい。
16:30
閉会
総合司会
佐野之人

山口大学 教育学部 特命教授

特定質問者
  • 田本正一山口大学
  • 田中智輝山口大学
  • 吹中駿介広島県小学校教員
  • 大藤渉広島大学大学院生
  • 廣田智子山口県立大学
  • 森永駿椙山女学園大学特任研究員
  • 村上林造文芸誌「青燈」主宰
  • 岡村康夫山口学芸大学
  • 深野宗泉臨済宗正宗山洞春寺住職
村上林造先生の文学講座(山口西田読書会)公開講座のご案内

 第7回「饗宴」に合わせて、前日の23日午後に、村上林造先生の文学講座を一般に公開いたします。

 テキストは村上春樹「あしか祭り」です。『全作品』版を用いますが、同作品は講談社文庫『カンガルー日和』でもご覧いただけます。当日、テキストは配布・音読いたしますが、予めお読みになられておくことをお勧めいたします。討論の柱を立て、それに基づいて自由な討論を行う予定です。

開催日
2024(令和6)年 3月23日(土曜日)
会 場
山口県政資料館(旧県会議事堂)山口市滝町1-1(駐車場あり)
時 刻
開会13:30〜閉会16:00
会場地図
県政資料館(旧県会議事堂)山口市滝町1-1(駐車場あり)
2024

アーレントにおける「悪の凡庸さ」について
―『全体主義の起源』をもとに考える―

森山竜純

山口大学 教育学部 社会科教育選修 4年

関連項目:

私とは何か ―池田晶子から考える―

伊田名央人

山口大学 教育学部 社会科教育選修 4年

関連項目:

ハイデガーに於ける真理の本質
―正しさを可能にする根拠と形而上学の克服―

花本直美

山口大学 教育学部 社会科教育選修 4年

関連項目:

魔境踏査の術を知る
―カミュの「不条理」に学ぶ―

福田理奈

山口大学 教育学部 社会科教育選修 4年

関連項目:

分別を超えた生き方は可能か
―鈴木大拙の霊性的世界と四種法界に学ぶ―

西村壮太

山口大学 教育学部 社会科教育選修 4年

関連項目:

2022
全体テーマ「人間を考える」

初期林京子文学研究

鹿安冉

山口大学 大学院 東アジア研究科 博士課程 終了生

関連項目:

ハイデガーにおける「歴史性」の問題の再検討

廣田智子

山口県立大学

関連項目:

教育における「わかる」についての一考察

大藤渉

山口大学教育学部小学校総合選修4年

関連項目:,

「疑い得ないもの」とは何か―西田幾多郎とデカルト―

吹中駿介

山口大学教育学部社会科教育選修4年

関連項目:,

『レ・ミゼラブル』における好奇心の役割

山田紗矢佳

山口大学人文学部4年

関連項目:

心臓(ハート)で読み直す漱石

桑原理恵

西南学院大学(文学)

関連項目:

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