より良い自分と本当の自分
- 2019年4月6日
- 読書会だより
今回の哲学的問いは「より良い自分になりたいと思う自分は、いま・ここで働いている本当の自分になれるのか」でした。
自分と自己は同じですか?
どういう意味ですか?
自分は英語で言うとIで、自己はmy selfです。Iはそうしようと思っている自分で、my selfはそれを動かしているものです。
それなら「自分」と「本当の自分」の区別に重なりますね。偽我と真の自己と言ってもいい。
真の自己に成り切っているときにはそのことは意識はありません。それを意識したらすでに真の自己ではありません。
それなら真の自己になるというのは無理のようですね。
飢えた状態で、迫られるものがあって知識や技術を求める在り方が真の自己では?
それはより大なる自己を求める小なる自己だと思います。
私はより良い自分になろうとは思っていません。すべてを捨てて楽になりたいです。
それもある意味で「より良い自分」になろうとしていることでしょ?人間は「より良い自分になりたい」と思うことをやめることはできないのでは?それがないと次なにしていいか分かんないでしょ?例えば皆さん、今日はここに来ていますよね。それはそうするのがよいと思ったからで、それをすることでより良い自分になろうとしていた。そうじゃないですか?
何も考えないで来たというのは?
読書会にですか?それは危ない。人間は必ずより良い自分になろうとしています。やめられない、そうじゃないですか?
罪深いんです。
え、どういうこと?
「我」という言葉を持った時から自分を出発点にしかできない。どうにもならないんです。だから罪深い。西田も「罪を知る」と言っていました。
それから?それで本当の自分はどうなるの?
それでも本当の自分って分かるのかなあ。僕は無理だと思うんですけれど
はい。いいところですがここでテキスト講読に入りましょう。